日本独自の環境基準に
対応できなかったヨーロッパのキッチンメーカー
zeyko社が日本の市場で大きな転機を迎えたのが平成15年の日本のシックハウス関連法の改正でした。
この法改正は有害物資であるホルムアルデヒドの発散量を世界中で最も厳しく規制するものでした。その発散量が最も少ない基準が「F☆☆☆☆」規格で、全てのキッチンメーカーは建築業界からこの「F☆☆☆☆」規格を要求されました。しかし、その要求基準・測定方法は世界の基準ではなく日本独自の基準であったため、ヨーロッパのキッチンメーカーはその基準に対応することが出来ませんでした。
1年かけ、日本市場向けキッチンの開発を実現
その状況下で、zeyko社は日本の市場向けに新たな規格の商品を開発するか、もしくは開発を諦めて日本市場から撤退するかの選択を迫られました。その時に、現在のzeyko社のアンドレアス・クレス社長が、日本市場向けのキッチンを開発することを決断し、今日に至っています。
ですが、その開発の道のりは長く最終的に商品が完成したのは、クレス社長の決断から1年程経っていました。
その開発の過程では、キッチンのキャビネット材、ドア材のみならず、キャビネットの内部の部材、背板、引き出しの底板、天井幕板等一つ一つ検証していきました。ヨーロッパで有害物質の発散量に関して安全な材料として要求されているのは「E1」規格ですが、日本向けの低ホルムアルデヒド対策基準に対応するのは更に一クラス上の「E0」規格になるため、キッチンに使用される全ての材料を「E0」規格にする必要がありました。そして、zeyko社で使用する「E0」規格の部材を、実際に日本の検査機関で「F☆☆☆☆」が取得できるかどうかをその都度検査をし、大臣認定を取得していきました。
最高基準の品質を全世界のユーザーへ
それ以降、zeykoの工場内に日本向け部材のストックヤードを設け、全てのパーツに間違えないように日本向けのマーク「 JAP 」を付け、日本から注文が来るとその部材を使用してキッチンを製作してくれています。工場内の日本向けの担当者はMr.Japanと呼ばれていました。
現在では日本向けに開発した「E0」規格キッチンは、zeykoの新しいエコロジーキッチンとしてプログラム化され、全世界のzeykoユーザーの希望者に提供出来るようになりました。私たちは、zeykoキッチンを注文するときヨーロッパ標準の「E1」規格か低ホルムアルデヒドの「E0」規格を選ぶことが出来ます。私が知る限り、平成15年のシックハウス関連法施行以後、キッチンの材料を日本向けの「E0」規格で開発した最初のドイツのキッチンメーカーはzeykoだと思います。
皆さん、zeykoの日本愛を感じませんか?